8日のニューヨーク株式市場は、先月のアメリカの失業率が戦後最悪の水準まで悪化したにもかかわらず、ダウ平均株価は、大幅に値上がりしました。市場では、失業率の悪化は想定されていたうえ、先月が事実上の底だという見方から買い注文が広がった形です。
8日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、前の日に比べて、455ドル43セント高い、2万4331ドル32セントでした。
また、IT関連銘柄の多いナスダックの株価指数も上昇し、ことし3月4日以来となる、9000ポイントを回復しました。
この日は、取り引き開始前に、先月のアメリカの失業率が、戦後最悪の水準の14.7%に達したことが発表されました。
市場は、より悪い数字を予想していて、多くの投資家の間で「先月が最悪期で、底だった」という見方が広がりました。
加えてアメリカでは、多くの州で経済活動の再開に向けた動きが続いていて、景気の先行きへの期待から、買い注文が広がった形です。
市場関係者からは、「IT関連銘柄を中心に株価の回復基調が続いているが、いい話ばかりを材料にしていて、株価の動きと実体経済との隔たりが大きいのではないかという指摘もある」と慎重な見方も出ています。
-- NHK NEWS WEB