10日は「母の日」です。新型コロナウイルスの感染拡大で、外出の自粛が続く中、離れた実家の母親に花を贈り、合わせてインターネットのテレビ電話で気持ちを伝える取り組みが広がりを見せています。
「花で帰省しよう」と名付けられたこのサービスは、感染拡大でイベントの中止が相次ぎ、花の需要が大幅に落ち込む中、廃棄される花を減らし、農家を支援しようと、花に関わる業界の若手有志などが取り組んでいます。
インターネットでこのサービスを利用した都内の29歳女性は、これまで月1回程度は埼玉県内の実家に帰っていましたが、外出の自粛が続く中、今は帰省を控えていて、母の日に合わせピンクや白の花で彩られたバスケットを贈りました。
登録された50余りの生花店から気に入った花を購入し贈る仕組みで、花をきっかけに、いわゆるテレビ電話で離れた家族と話す「オンライン帰省」も提案されていて、この女性は、母親と初めてテレビ電話を楽しみました。
女性は「毎年2人旅をするほど母と仲がよいのでさみしいですが、花を喜んでもらえてよかった」と話していました。
また母親は「サプライズでうれしかった。娘の元気な顔も見て安心した」と話していました。
サービスの発起人で花のイベント会社の代表、長井惇さん(33)は「花農家の知人から苦境を聞き、企画した。花は、相手に合う色や種類を選んで世界に1つだけのギフトにできるし、花をきっかけに『オンライン帰省』で家族の絆を深めてほしい。感染終息までサービスを続けたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB