鉄鋼大手、JFEホールディングスのことし3月期の決算は、最終的な損益が1977億円の赤字に転落しました。自動車向けを中心に鉄鋼需要が落ち込んだほか、製鉄所の資産価値を見直すなどしたためで、赤字幅は過去最大です。
JFEホールディングスのことし3月期の決算は、売り上げが前の年より3.7%減って、3兆7297億円、最終的な損益は過去最大の1977億円の赤字となりました。
これは、アメリカと中国の貿易摩擦で主に自動車向けの鉄鋼需要が減少したことに加えて、高炉の休止などに伴い製鉄所の資産価値を引き下げるなどしたためです。赤字幅は、過去最大です。
来年3月期の業績予想については、新型コロナウイルスの感染拡大で最大の取引先である自動車メーカーをはじめ、幅広い分野で需要の動向が見通せないとして、非公表としました。
電話による記者会見を行ったJFEホールディングスの寺畑雅史副社長は「JFEグループ発足以来の最大の危機だ。この難局を乗り切るために徹底したコスト削減をはじめ、あらゆる施策を実施していく」と述べました。
鉄鋼業界では、日本製鉄や神戸製鋼所もことし3月期の決算が最終赤字に転落しています。
鉄鋼需要の減少は、リーマンショックを上回るという見方もあり、大手鉄鋼メーカーは高炉の休止など生産体制のさらなる見直しを迫られる可能性もあります。
-- NHK NEWS WEB