去年、広島県沖で民間の貨物船と衝突して損傷した掃海艇について、海上自衛隊は修理に長い期間と多額の費用がかかるとして、来月、退役させることを決めました。
海上自衛隊の掃海艇「のとじま」は、去年6月、広島県三原市沖の瀬戸内海で民間の貨物船と衝突し、船体が損傷しました。
海上自衛隊は、造船会社に依頼して修理に必要な調査を進めてきましたが、この型の掃海艇は磁気に反応する機雷への対策で、船体が木でできていることなどから修理に1年半かかるうえ、費用もおよそ11億円に上ることが分かったということです。
このため、海上自衛隊は「のとじま」の修理を断念し、退役の時期を数年早めて、来月12日に退役させることを決めました。
「のとじま」が配備されている京都の舞鶴基地には、代わりに別の掃海艇が配備されるということで、日本周辺海域の防衛態勢に影響はないとしています。
海上自衛隊トップの山村浩海上幕僚長は、記者会見で「衝突事故により、早期に退役する結果となったことについて、国民の皆様に大変申し訳なく思っています。国の運輸安全委員会の事故調査に引き続き協力していきます」と話しています。
-- NHK NEWS WEB