ロシアでは、新型コロナウイルスに感染した人が23万人を超え、アメリカに次いで世界で2番目に多くなりました。しかし、プーチン大統領が全国一斉の休業措置を解除すると決めたことを受けて、一部の企業は12日から経済活動を再開させました。
ロシアでは新型コロナウイルスの新たな感染者が連日1万人を超える深刻な状況が続いていて、ロシア政府は12日、感染者がおよそ23万2000人に上ったと発表し、アメリカに次いで世界で2番目に多くなりました。
ロシアの通信社は、大統領府のペスコフ報道官が感染し入院していると伝えるなど感染拡大は政府内にも広がっています。
しかし、経済が悪化するなか、プーチン大統領は11日、全国一斉に続けてきた休業措置について12日で解除する方針を示しました。
プーチン大統領は12日、早速、これまでのテレビ会議をやめ、国営の石油会社「ロスネフチ」のセーチン社長と直接会談して石油産業の立て直しについて話し合うなど、経済活動を再開させる姿勢を印象づけました。
また、一部の企業も従業員を出社させ、このうち、トヨタ自動車もサンクトペテルブルクの工場を稼働させることを明らかにしました。
地元メディアは、モスクワでは12日になって車の通行量や地下鉄の利用者が増加していると伝えています。
プーチン大統領としては、感染拡大が続くなかでも経済活動の再開を段階的に進めることで、これ以上経済が悪化する事態は避け、国民の不満を少しでも解消したいねらいがあるとみられます。
-- NHK NEWS WEB