製薬大手の武田薬品工業は、開発中の新型コロナウイルスの治療薬について、ことし7月から国内で臨床試験を始め、年内にも国の承認申請を行うことを明らかにしました。
武田薬品工業は、ことし4月から新型コロナウイルスの感染症から完全に回復した患者の血液を使った新しい治療薬の開発を海外の大手製薬会社と共同で進めています。
会社の発表によりますと、ことし7月から日本やアメリカ・ヨーロッパなどで臨床試験を始めます。すでに臨床試験に使う治療薬の生産も始めているということです。
順調に進めば年内に新型コロナウイルスの治療薬として国に承認申請を行いたいとしています。
電話で会見したクリストフ・ウェバー社長は開発中の治療薬について「ライバルの会社ともアライアンスを組んだことでより大きなスケールでより速く開発を進めることができている。治療薬については非常に有望だと感じている」と述べました。
一方、武田薬品工業のことし3月期の決算は売り上げが3兆2911億円と前の年より56.9%増えましたが、最終利益は67.3%減って442億円となりました。
会社では去年1月におよそ6兆円を投じてアイルランドの製薬大手「シャイアー」を買収し売り上げが大幅に伸びた一方で買収に伴うコストも増加したと説明しています。
-- NHK NEWS WEB