全国各地にある地方銀行の決算がほぼ出そろい、多くが減益や赤字となる厳しい結果となりました。新型コロナウイルスの影響で今年度もおよそ7割の銀行が減益を見込み、厳しい経営環境が続く中で、地域の企業をどう支えていくかが課題となりそうです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、株式を上場している76の地方銀行の決算をまとめたところ、53の銀行で最終的な利益が減る「減益」となり、3つの銀行は赤字でした。
長引く低金利で本業の融資でもうけが減ったのに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う金融市場の混乱で、保有する金融商品で含み益が目減りしたのが主な要因です。
さらに今年度の業績についても見通しを公表した73の銀行の最終的な利益を足し合わせると、前の年度より20%少なく、およそ7割にあたる53の銀行が減益を見込んでいます。
新型コロナウイルスの影響で取引先企業の経営が悪化し、貸し倒れに備える費用が膨らむとみていて、中小企業や個人事業主と取り引きが多い地方銀行にとっては、厳しい状況のもとで地域の企業をどう支えていくかが課題となりそうです。
一方、金融庁は金融機関の経営が悪化して融資が滞る事態にならないよう、「金融機能強化法」を改正して公的資金を投入しやすくすることを検討する方針です。
-- NHK NEWS WEB