ソフトバンクグループのことし3月期の決算は、投資先の企業価値が落ちたことで1兆3000億円を超える過去最大の営業赤字になりました。投資会社としての積極的な戦略が裏目に出た形で、リスクを抑えながら収益を回復できるかが問われそうです。
ソフトバンクグループが18日発表したことし3月期の決算は営業損益が1兆3646億円の赤字と、過去最大の赤字になりました。
アメリカのシェアオフィス大手 ウィーワークの経営悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大を背景にした金融市場の動揺で投資先の企業価値が下がったことが要因です。
ファンドなどを通じて世界のスタートアップ企業に積極的に投資してきた戦略が裏目に出た形で、孫正義社長は記者会見で「今後も投資は続けるが、用心しながら行う」と述べ、当面リスクを抑える姿勢を強調しました。
また、当初10兆円規模で立ち上げるとしていた2つめのファンドについても他の投資家からは資金を募らず、当面グループの資金のみで投資する方針を示しました。
会社は向こう1年間に4兆5000億円の資産を売却して財務の改善を進める方針で、18日はこのうち1兆円余りを調達したことも明らかにしました。
今後はリスクを抑えた投資と財務の改善を計画どおり進めて収益力を回復できるかが問われそうです。
-- NHK NEWS WEB