ソニーは、グループ全体の事業強化に向けた経営改革の一環として、来年4月に会社の名前を「ソニーグループ」に変更すると発表しました。
発表によりますと、ソニーは、来月開催を予定している株主総会での承認を前提に、来年4月1日付けで社名を「ソニーグループ」に変更し、グループ全体の本社機能を担う会社にするということです。
一方、「ソニー」の名称は、エレクトロニクス事業を担う会社が引き継ぐとしています。
また、ネット銀行や生命保険などの金融事業を手がける子会社、ソニーフィナンシャルホールディングスの株式の上場を廃止し、完全子会社にすることも決めました。
現在はおよそ65%を出資していますが、4000億円近くを投じて20日、株式の公開買い付けを行い、すべての株式を取得する方針です。
金融事業は、昨年度の営業利益が1296億円と、エレクトロニクスやゲーム、画像センサーなどと並び、安定した収益をあげていて、完全子会社化で金融事業の利益全体を取り込むとともに、AI=人工知能などの技術とも組み合わせて新たなサービスにつなげるねらいです。
19日オンラインで開いた経営説明会で、吉田憲一郎社長は「金融事業は中核事業であり、日本で完結して価値を生み出せる。グローバルな地政学リスクが高まる中で、リスク管理の観点からも有効だ」と述べ、米中の対立をはじめとする世界的なリスクに対応するねらいもあるという認識を示しました。
-- NHK NEWS WEB