振り込め詐欺などの被害を減らすため警察が行っている詐欺防止の装置を家庭に貸し出す実験で、群馬県内では実験開始からの2年半の間に詐欺の被害に遭った対象家庭が1件もないことがわかりました。
この実験は、警察と大手通信会社などが2年半前から「迷惑電話チェッカー」と呼ばれる詐欺防止の装置を無償で貸し出しているものです。
装置は、これまでに詐欺事件などで使われたおよそ2万5000件の電話番号からの着信をブロックするほか、通話実績のない番号からの着信時には装置のランプが黄色に光って注意を促します。
群馬県内では高齢者の家庭200世帯で行われていて、対象家庭へのアンケートの結果が今月、まとまりました。
回答した110世帯のうち複数が装置の設置前に詐欺の被害に遭ったと答えたのに対し、設置後に被害に遭ったという回答は1件もありませんでした。また、31%の世帯が設置前に詐欺の被害に遭いそうになったことがあると回答したのに対し、設置後は4%だったということです。
実験に参加している前橋市の井野佳子さん(79)は「以前、還付金詐欺の被害に遭いそうになりましたが、装置をつけてからは詐欺の電話に出なくてすむようになったので安心です」と話していました。
-- NHK NEWS WEB