アメリカのトランプ政権は、中国に対する戦略をまとめた報告書を公表し、中国が自由や人権といったアメリカの価値観に挑戦しているとしたうえで、経済や軍事などあらゆる面で国益を守るための措置を実行していく方針を示しました。
トランプ政権は20日、「中国に対する戦略的アプローチ」と題した報告書を公表しました。
報告書は中国が習近平政権のもとで、欧米の先進国よりもみずからの統治システムのほうが優れているというイデオロギー的な争いを仕掛け、自由や人権といったアメリカの価値観に挑戦していると指摘しています。
さらに中国の経済や政治、そして軍事力の拡大がアメリカの死活的な利益を損なっていると非難したうえで、トランプ政権として中国と競争する戦略に転じ、国益を守るための措置を実行していく方針を示しました。
このうち軍事については、中国に対抗するため核戦力の最新鋭化を優先する一方、財政負担となる軍拡や誤解による衝突を避けるため、軍縮交渉に加わるよう中国の指導者たちに働きかけていくとしています。
また香港についてはアメリカ企業の拠点の1つで多くのアメリカ人が暮らしていることから、香港の将来に重大な利益を持つと指摘し、中国をけん制しています。
報告書でトランプ政権は歴代政権による中国との協調を重視した関与政策の大半を失敗と位置づけていて、米中関係は「新冷戦」とも言われる大国間競争の様相を呈しています。
-- NHK NEWS WEB