国産初のジェット旅客機を開発している三菱重工業は、開発の遅れで業績に大きな影響が出ていることから、70席クラスの機体の開発を当面見合わせるなど、開発の計画を大幅に見直す方針を固めました。新型コロナウイルスの感染拡大で今後の航空機需要が不透明となる中、開発は厳しい状況に直面しています。
関係者によりますと三菱重工は、子会社が進めている国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発計画を大幅に見直す方針を固めました。
具体的には、型式証明の取得に向けてすでに飛行試験を行っている90席クラスの機体は、量産機の製造を先送りします。
また、今後主力として開発を予定していた70席クラスの機体は、当面開発を見合わせるということです。
三菱重工は、ジェット旅客機の開発の遅れによってことし3月期の決算で多額の損失を計上し、本業のもうけに当たる「事業損益」が20年ぶりの赤字に転落しました。
加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で今後の航空機需要が不透明になっています。
こうしたことから会社は、今年度の開発費を従来の半分程度のおよそ600億円に減らす方針を決めていて、開発計画を見直すことになりました。
これによって「2021年度以降」としていた初号機の納入時期は一段と不透明になることになり、国産初のジェット旅客機の開発計画は厳しい状況に直面しています。
-- NHK NEWS WEB