北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件について、韓国の情報機関は、北朝鮮の秘密警察や外務省などが関与していたとして、「キム・ジョンウン委員長の主導で組織的に行われた国家テロであることは明白だ」との見方を示しました。
これは、事件を受けて27日に非公開で開かれた韓国の国会の委員会で、情報機関「国家情報院」の幹部が明らかにしたものです。
国家情報院は、これまで事件は、北朝鮮の対外工作機関である軍の偵察総局が主導したとしてきましたが、委員会に出席した議員によりますと、体制に批判的とみなした国民を取り締まる、秘密警察に当たる国家保衛省の要員も数多く関わっていたとの見方を示し、さらなる分析が必要だと説明したということです。
そして、現場では、国家保衛省の4人、外務省の2人、コリョ航空と国営の貿易会社のそれぞれ1人が2つのチームに分かれて犯行に関与したとしています。そのうえで「キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の主導で組織的に行われた国家テロであることは明白だ」との見方を示しました。
また北朝鮮国内では、キム・ジョンナム氏の殺害について情報統制が敷かれているものの、海外の在住者や一部の幹部には、次第に情報が伝わり、衝撃が広がっているとしています。
-- NHK NEWS WEB