新型コロナウイルスの治療薬として今月、日本で承認されたレムデシビルは、投与する期間が5日間でも、10日間投与する場合と大きな違いはないとする研究結果が公表されました。
エボラ出血熱の治療薬としてアメリカで開発されたレムデシビルは、今月5日、世界で初めて、日本で新型コロナウイルスの治療薬として承認されましたが、各国では安全性や有効性を確かめる複数の臨床試験が続いています。
こうした中、レムデシビルの製薬会社ギリアド・サイエンシズは、新たな臨床試験の結果をまとめ、論文は27日、アメリカの医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されました。
それによりますと、薬の投与を始めてから2週間以内に退院した患者の割合は、投与が5日間の場合は、患者200人のうち120人で全体の60%、投与が10日間の場合は、患者197人のうち103人で全体の52%でした。
また、退院までの期間はそれぞれ中央値で、投与が5日間の場合は7日、10日間の場合は8日でした。
論文では、「今回の研究では薬がどの程度効果を示したのかはわからない」としたうえで、分析の結果、薬の投与期間が5日間でも、10日間投与する場合と、回復の経過などに大きな違いはなかったと結論づけています。
新型コロナウイルスの治療薬としての安全性や有効性を確かめる国際共同治験の最終的な結果はまだ明らかになっておらず、その結果に注目が集まっています。
-- NHK NEWS WEB