投資の失敗が続いていた農林水産省が所管する官民ファンドは、2025年度末に解散し、損失は120億円に拡大する見通しとなりました。
農林水産業を支援するために設立された官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」は、出資した企業の破綻など投資の失敗が重なって多額の累積赤字を抱えたため、すでに解散する方針が決まっています。
このファンドを所管する農林水産省は29日、解散に向けた具体的な計画を発表しました。それによりますと、ファンドの解散時期を2025年度末と決めたうえで、損失を最小限に抑えるため来年度以降は新規の投資は行わず、資金の回収に専念するとしています。
それでも当面は人件費などの経費がかかることから、2018年度末に92億円だった累積赤字はさらに増え、解散する時点での損失は120億円に上ると見込んでいます。
農林水産省は検討会を立ち上げてファンドの問題点を検証していますが、損失は最終的に国民の負担になるため、運用の実態について徹底した検証と情報公開が求められます。
-- NHK NEWS WEB