賃上げの動きがどこまで広がるかが焦点となっていることしの春闘で、大手銀行の間では、日銀のマイナス金利政策の影響で収益環境が悪化するおそれがあるなどとして、労働組合がベースアップの要求を見送る動きが相次いでいます。
ことしの春闘で、大手銀行のうち、三井住友銀行の労働組合は、ことし7月から基本給の総額を0.5%引き上げるベースアップを要求する執行部案をまとめ、27日、組合員に提示しました。ベアの要求は2年ぶりで、来月、経営側に提案し、経営側も前向きに回答する見通しです。
その一方で、みずほフィナンシャルグループとりそな銀行の労働組合は、いずれも、ベアの要求を見送る執行部案をまとめたほか、三菱東京UFJ銀行の労働組合も、ベアの要求を見送る見通しです。理由について、各銀行の労働組合は、消費者物価が上昇していないことに加え、日銀のマイナス金利政策などによる超低金利が長期化し、収益環境が一段と悪化するおそれがあることを挙げています。
ことしの春闘は、デフレ脱却に向けて賃上げの動きがどこまで広がるかが焦点となっていますが、大手銀行では、労働組合がベアの要求を見送るところが相次ぐ状況となっています。
-- NHK NEWS WEB