ドローンとAI=人工知能で、大雨などの際の浸水被害を短時間で予測する技術が開発され、自治体の水害対策などへの活用が期待されています。
数学を応用したAI開発を手がける東京のベンチャー企業「Arithmer」や東京大学などのグループは、ドローンとAIを使って、水害が発生した場合にどのように浸水するのかを予測する技術を開発しました。
ドローンの測量データから3Dの地図を作り出し、水の流れを予測するAIで浸水被害を算出します。浸水被害の予測には通常、数か月から数年が必要とされますが、この技術では1時間以内で、センチ単位で予測をはじき出すことができるということです。
病院や住宅などの浸水対策や安全な避難策の確保につなげることができるため、東日本大震災で津波被害を受けた福島県広野町がこの技術を利用することを決めていて、ほかの自治体からも問い合わせが増えているということです。
Arithmerの大田佳宏社長は「病院や避難所の浸水は新型コロナウイルスの感染を拡大させるおそれもあり、自治体などに技術の活用を呼びかけていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB