イタリアでは新型コロナウイルスの影響で経済が深刻な打撃を受けるなか、政府からの支援が足りないとして抗議活動が起きていて、国民の不安や不満が高まっています。
イタリアでは5月から経済活動への制限を段階的に緩和していますが、およそ2か月に及んだ厳しい制限措置の打撃は深刻で、観光業や飲食業など幅広い業種で依然、厳しい状況が続いています。
こうした中、首都ローマで2日、政府への抗議活動が行われ、およそ500人が参加しました。抗議活動は野党が中心となって呼びかけられましたが、参加した人たちは「政府の経済支援が十分ではない」と訴えていました。
イタリアでは政府が、資金繰りに苦しむ企業の支援や従業員の給与補償などに10兆円を超える規模の経済対策を発表していますが、野党第1党のサルビーニ党首は支援が届いていないとしたうえで「支援はいま必要で、それがなければ来年にはビジネスが消えてなくなる」と述べました。
また参加した男性は「政府は大企業だけ支援し、イタリアの経済を支える中小企業を無視している」と訴えていました。
イタリア経済に関して中央銀行にあたるイタリア銀行は回復には時間がかかるとして、最悪の場合、ことしの経済成長率がマイナス13%に達するという見通しを示しています。
先行きへの懸念が強まるなか、抗議活動では首相の辞任を求める声もあがり、国民の不安や不満が高まっています。
-- NHK NEWS WEB