国連安全保障理事会で採択された北朝鮮への制裁決議をめぐって、27日に決議の実施状況を調べる専門家パネルの中間報告が行われ、各国から、北朝鮮が依然として制裁逃れをしているという非難などが相次ぎました。
北朝鮮への制裁決議の実施状況を調べている、国連安保理の専門家パネルは、来月の年次報告書の公表を前に、27日に中間報告を行いました。
報告の中身は明らかにされていませんが、国連外交筋によりますと、去年8月、エジプトでカンボジア船籍の貨物船の積み荷から北朝鮮製のロケット弾が数万発見つかったことや、北朝鮮企業が、アフリカのナミビアとアンゴラで銅像の建造を請け負ったことなどが記載されているということです。
これについて、イギリスのライクロフト国連大使は記者団に対し、「報告書にはおびただしい数の決議破りの実例が示されている。公表されれば各国は何をすべきかわかるはずだ」と述べ、北朝鮮による制裁逃れが依然として続くとともに、それに加担している国があると非難しました。
また、フランスのドラットル国連大使も、「北朝鮮は武器の取り引き方法を編み出している」と述べ、決議で禁止された武器輸出が続いていると危機感を示しました。
報告書では、制裁の例外となっている「民生目的」についても、国によって解釈が異なるとしており、外交筋からは、天然資源の輸入制限などにより、自国の国民生活への影響を懸念する中国の消極的な姿勢が指摘されるなど、制裁の着実な実施が改めて課題となっています。
-- NHK NEWS WEB