アメリカのトランプ大統領は先月の失業率がやや改善したことを受けて、急きょ記者会見し「アメリカ史上、最大の復活だ」と強調しました。新型コロナウイルスや、黒人男性の死亡事件を受けた抗議活動への対応に批判も出る中、回復をうかがわせる経済指標を政権の浮揚につなげたいものとみられます。
5日発表されたアメリカの先月の失業率は13.3%で、依然高止まりしているものの、統計を取り始めてから最悪だった前の月より1ポイント以上改善しました。
事前の市場の予想では、失業率は20%近い水準にまで悪化するという見通しが出ていただけに、トランプ大統領は急きょ記者会見し「事前の予想を打ち砕いた。アメリカ史上、最大の復活だ」と述べ、各州に促してきた経済活動の再開や、中小企業向けの経済対策の成果だと強調しました。
そのうえで「これからの数か月はもっとよくなる。そして来年は最高の年になる」と述べました。
ただ、記者会見では、批判の声があがっている黒人男性の死亡事件を受けた抗議活動への対応などについて、記者団からの質問は一切受け付けませんでした。
アメリカでは株価も上昇傾向を続けていて、トランプ大統領としては、ことし秋の大統領選挙を控えて回復をうかがわせる経済指標を政権の浮揚につなげたいものとみられます。
-- NHK NEWS WEB