中国の先月の輸出額は、去年の同じ月に比べて3%余り減少し、2か月ぶりにマイナスとなりました。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響で、主な輸出先であるアメリカやヨーロッパなどの需要が落ち込んだことなどが主な要因とみられています。
中国の税関当局が7日発表した先月の貿易統計によりますと、中国の輸出と輸入を合わせた貿易総額は3507億ドルと、去年の同じ月に比べて9.3%減少しました。
このうち輸出額は2068億1000万ドルで3.3%減りました。
中国の輸出額は、感染拡大の影響で中国国内の企業活動が停滞しことし1月以降大きく落ち込みましたが、国内の企業活動が回復に向かい、4月にはいったん増加に転じました。
輸出額が減少に転じたのは、世界的な感染拡大の影響で主な輸出先であるアメリカやヨーロッパなどの需要が落ち込んだことなどが主な要因とみられていて、こうした状況が続けば、中国の景気回復を遅らせる懸念があるとも指摘されています。
一方、輸入額は1438億9000万ドルと、去年の同じ月を16.7%下回りました。
原油などの輸入価格が下落したことや、中国国内の需要がふるわなかったことなどによるとみられています。
また、貿易問題で対立するアメリカからの輸入額をみますと、ことし1月から先月までの累計が去年の同じ時期を7.6%下回りました。
トランプ大統領は、中国のアメリカからの輸入が増えないことに強い不満を示しており、貿易問題をめぐる米中両国の関係が一層悪化することも懸念されます。
-- NHK NEWS WEB