新型コロナウイルスの影響で、家庭で過ごすための商品を扱うホームセンターの役割が見直されるなか、新潟県のホームセンター大手「アークランドサカモト」が、大手住宅設備メーカーの子会社「LIXILビバ」の買収を目指し、TOB=株式の公開買い付けなどを行うと正式に発表しました。買収にかかる金額は1000億円余りとなる見込みです。
発表によりますと、新潟県三条市に本社があり「ホームセンタームサシ」を展開する「アークランドサカモト」は、大手住宅設備メーカー「LIXILグループ」が53%の株式を保有する子会社「LIXILビバ」のすべての株式を取得して買収するため、10日以降、TOB=株式の公開買い付けなどの手続きを進めるということです。
株式の取得金額は合わせて1085億円を見込んでいます。
「アークランドサカモト」は、首都圏などに多くの店舗を持つ「LIXILビバ」を買収することで、成長が見込まれる首都圏での事業を一気に拡大するねらいがあります。
一方、「LIXILグループ」は、事業の取捨選択を進めてホームセンター事業から撤退し、本業である住宅設備関連の事業に投資を集中して、収益力の強化につなげたい考えです。
「アークランドサカモト」の株式の時価総額は、8日の終値を基に計算すると500億円程度ですが、これを大きく上回る時価総額が1100億円程度の「LIXILビバ」を買収する、いわば小が大をのむ形となります。
新型コロナウイルスの影響で多くの業界で業績が悪化するなか、ホームセンター業界は、テレワークに対応した商品や、長時間、家庭で過ごすための商品を買い求める客が増え、その役割が改めて見直されていて、今回の買収が業界の大規模な再編につながるかどうか注目されます。
-- NHK NEWS WEB