AI=人工知能の技術を使って脳の画像から病気を見つける、医療用の画像解析ソフトなどを開発する、ベンチャー企業の当時の役員が、会社の口座からおよそ30億円を着服したとして、警視庁に逮捕されました。調べに対し「資産運用の一環だった」と供述しているということです。
逮捕されたのは、東京 千代田区のベンチャー企業「エルピクセル」の元取締役、志村宏明容疑者(45)です。
警視庁によりますと、取締役をしていた平成30年から去年1月にかけて、会社の口座から自分の口座に20回以上にわたって、およそ30億円を送金し着服したとして、横領の疑いがもたれています。
この企業は、AI=人工知能がみずから学習する「ディープラーニング」という技術を使って、脳の画像から病気を見つける、医療用の画像解析ソフトなどを開発しています。
警視庁によりますと、志村元取締役は会社の経理などを担当し、インターネットバンキングのIDやパスワードを1人で管理していて、金はほとんどがFX取り引きに使われ、その損失で失われたということです。
社内の内部監査では、通帳のコピーを改ざんするなどしていたということですが、去年、不正が発覚し、会社が解任するとともに警視庁に告訴していました。
調べに対し「会社の資産運用の一環だった」と供述しているということです。
ベンチャー企業は「深くおわびするとともに、管理体制の強化や法令遵守の徹底に努めます」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB