チェコが、台湾との関係を強める動きを見せています。中国がチェコに約束した投資計画などをめぐって両国の関係が冷え込む中、チェコの上院議長は、ことし8月に台湾を訪問すると発表しました。
チェコのヴィストゥルチル上院議長は9日、記者会見し、ことし8月下旬から企業関係者らとともに台湾を訪問すると発表しました。
中国と国交を結ぶチェコは、「1つの中国」の原則を支持する立場をとっていて、憲法上、大統領に次ぐ地位の上院議長が台湾を訪問した例は過去にありません。
台湾訪問は以前から検討されていたもので、地元メディアは、ことし1月に現地の中国大使館が大統領府に書簡を送り、訪問を取りやめるよう強く求めていたと伝えています。
中道右派の野党に所属する上院議長は会見で、こうした中国の姿勢を批判したうえで、「経済や文化面などで交流を進める。金銭を考えるのではなく、主権や法の支配、民主主義といった価値を重視したい」と強調し、台湾との関係を強める姿勢を打ち出しました。
チェコと中国をめぐっては中国が約束した投資計画が実現していないなどとしてチェコの国民からは不満も出ていて両国関係は冷え込んでいます。
去年には、首都プラハ市が北京市との姉妹都市の協定を解消していて、今回、上院議長が台湾を訪問すると発表したことで、中国からの反発が強まることも予想されています。
-- NHK NEWS WEB