新型コロナウイルスの影響で、空の便の需要が大幅に落ち込んでいるとして、世界の航空会社が加盟する団体は、航空業界のことしの最終的な損益がおよそ9兆円の赤字になるという見通しを示し、各国政府の財政支援が重要だと指摘しています。
これは世界のおよそ290の航空会社が加盟するIATA=国際航空運送協会が、9日、明らかにしたものです。
それによりますと、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各国が国内の移動や渡航を制限する措置をとったことで空の便の需要が落ち込み、ことしの旅客数はおよそ22億5000万人と、去年の半分程度にまで減少する見込みです。
そして、ことしの加盟各社の売り上げの総額は去年と比べて半減し、最終的な損益はおよそ843億ドル、日本円にしておよそ9兆円の赤字になる見通しだとしています。
このうち、損失が最も大きいのは
▽アジア太平洋地域の航空会社で290億ドル、
次いで
▽北アメリカがおよそ230億ドル、
▽ヨーロッパがおよそ210億ドルとなっています。
IATAは「航空業界の歴史上、2020年は財政的に最も落ち込むことになるだろう」として、各国政府による財政支援が重要だと指摘するとともに、各国の経済回復のためにも、移動制限の解除に向けて乗客乗員の感染防止対策などを進めるよう呼びかけています。
-- NHK NEWS WEB