トヨタ自動車の株主総会が愛知県豊田市の本社で開かれ、豊田章男社長は、新型コロナウイルスによる厳しい経営環境の中、来年3月期の業績見通しを5000億円の営業黒字としたことについて、「トヨタは赤字に陥らないというメッセージを示した」と述べ、リーマンショックの時と比べて企業体質の強化が進んでいることを強調しました。
トヨタの株主総会は11日午前10時から豊田市の本社で始まりました。ことしは感染防止で来場の自粛を呼びかけたため、株主の出席は300人余りと、去年の5500人余りを大きく下回りました。
総会では初めに、会社からことし3月期決算について、本業のもうけを示す営業利益が、2兆4428億円と前年度からの減少が1%にとどまり、最終的な利益は10%余り増えたことなどが報告されました。
続いて、株主からは、来年3月期の営業利益が、前年度を79%余り下回る5000億円の黒字になるという見通しを示したことについて質問が出されました。
これに対し、豊田社長は「普通に考えると、見通しを示すことは難しい。自動車産業はすそ野が広く、日本経済への波及効果が大きい。基準となるものを示すことが責務だと考えた」と説明しました。
そのうえで、豊田社長は「昨年度の決算や今年度の業績見通しでは、トヨタは赤字に陥らないというメッセージを示した。リーマンショックの時と違い、世の中に頼りにされる企業となるためのスタート地点に立った」と述べ、企業体質の強化が進んでいると強調しました。
総会は約1時間20分で終了しました。
-- NHK NEWS WEB