「すべての執務室にカギをかけます」ー。
経済産業省が2月27日、このような対応を始めました。情報管理を強化するためという説明ですが、経済産業省を取材する記者からは、取材活動の制限につながり、情報公開の流れに逆行するのではないかと懸念が出ています。
何が問題となっているのでしょうか。
『本年2月27日より、執務室扉の開閉については職員によるセキュリティー解除を行うことを原則とする運用を開始します』ー。
2月20日、経済産業省が『今後の庁舎管理について』という表題のリリースを突然発表しました。
一見、何を始めようとしているのかが読み取りにくいこのお知らせ。
要するに、夜間のみならず日中も執務室の入り口は施錠するという内容です。
施錠は一部ではなく“すべて”の執務室が対象となっています。
施錠だけではありません。
経済産業省の担当者が記者と面談する場合は別の場所にある応接スペースで会うこと、また、取材内容を記録する別の担当者も同席させたうえで内容は広報室に報告するとしています。
理由について、経済産業省は「外交や企業活動に関する機微な情報を多く持っているため、情報管理を強化するものだ」と説明してます。つまり、多くの部署が外交上の機密情報や企業の再編・統合に関する内部情報などを多く抱えているので、取材者や企業の関係者が自由に執務室に出はいりしている現状は、情報漏えいを招きかねず、見直す必要があったというのです。
こうした対応に、経済産業省を日頃、取材している報道各社からは、驚きの声が上がるとともに、取材活動の制限につながり、情報公開の流れに逆行するのではないかと懸念、ルールの撤回を申し入れたのです。
情報管理を徹底すること、それ自体は中央官庁として当然といえば当然です。ではなぜ報道各社が驚いたのか?それには経済産業省の特徴を知る必要があります。
-- NHK NEWS WEB