新型コロナウイルスの影響で休業を続けている大阪・新世界の老舗ふぐ料理店、「づぼらや」が再開をしないまま、閉店することになりました。運営会社は「大勢で鍋を囲むスタイルの飲食店で、密を避けながら、これまでどおりに営業する見通しを立てられなかった」などとしています。
「づぼらや」はふぐをあしらった張り子の看板で知られる大阪の老舗のふぐ料理店で、「新世界本店」と「道頓堀店」の2つの店は、緊急事態宣言を受けて4月8日から休業していました。
再開を目指してきましたが、運営会社は新型コロナウイルスの影響で経営状況が悪化したうえ、「大勢で鍋を囲むスタイルの飲食店で、再開しても密を避けながらこれまでどおりに営業する見通しを立てられなかった」として、臨時休業から営業を再開しないまま、ことし9月で閉店することを決めました。
づぼらやがある「新世界」は、外国人旅行者にも人気の大阪を代表する観光名所ですが、多くの店舗が長期間の休業や営業時間の短縮を迫られ、厳しい経営環境に置かれています。
運営会社の松田隆治会長は「『再開してほしい』という電話を多くいただいているだけに、申し訳なく思います」と話しています。
店の張り子の看板は、観光名所の通天閣とともに大阪を象徴するランドマークの1つとして長年、親しまれていて、会社は、今後、対応を検討したいとしています。
-- NHK NEWS WEB