日銀は新型コロナウイルスの感染拡大で混乱した金融市場を安定させるため、ことし3月以降、多くの株式を集めて作ったETF=上場投資信託の買い入れを増やしています。ことしの買い入れ額は4兆4000億円余りと去年一年間の買い入れを額をすでに上回り、市場の混乱を抑え込もうという姿勢が表れています。
日銀は大規模な金融緩和の一環として、多くの株式を集めたETFを買い入れています。
新型コロナウイルスの影響で日経平均株価が急落するなど金融市場が大きく混乱したため、日銀はことし3月に追加の金融緩和に踏み切り、ETFの年間の買い入れ額を2倍にすることを決めました。
3月には一日に2000億円余りを買い入れる日が相次ぎ、今週も、株価が大きく下落したため2日続けて1000億円余りを買い入れました。
この結果、ことしに入ってからの買い入れの総額は4兆4594億円となりました。
去年一年間の買い入れは4兆3772億円だったため、5か月余りで去年の実績を上回り、市場の混乱を抑え込もうという姿勢が表れています。
ただ、日銀が保有するETFの総額と、東証1部に上場するすべての株式の時価総額をことし3月末時点で比較すると、5%を超える株式を日銀が保有している計算となり、市場関係者からは株式市場への影響が大きくなりすぎているという懸念の声も出ています。
-- NHK NEWS WEB