新型コロナウイルスの影響を受ける企業に対し、政府系の日本政策金融公庫が先月実行した貸し出しは前の月の1.5倍に増え、厳しい資金繰りに直面する企業が増えていることがうかがえます。
政府系金融機関のうち、日本政策金融公庫は新型コロナウイルスの影響を受けているフリーランスを含む個人事業主や中小企業などを対象にした実質無利子・無担保の融資の窓口となっています。
この融資を含め、先月、公庫が実行した融資は全体で19万2800件余り、2兆4990億円に上り、前の月のおよそ1.5倍に増えました。
同じく政府系の商工中金と日本政策投資銀行は「危機対応融資」の窓口となっています。
▽商工中金の先月の危機対応融資は4158億円で、前の月のおよそ2.8倍に、
▽日本政策投資銀行も8869億円と前の月の14倍に増え、厳しい資金繰りに直面する企業が増えていることがうかがえます。
新型コロナウイルスの影響を受ける企業の支援策は12日成立した政府の第2次補正予算で、「劣後ローン」と呼ばれる返済順位が低い融資や出資の枠が上積みされました。
これらは資金繰りの支援にとどまらず、企業の財務基盤の強化をねらう対策に当たり、政府系金融機関がどれだけ応じられるかが課題となります。
-- NHK NEWS WEB