国産初のジェット旅客機、「三菱スペースジェット」の開発を進める「三菱航空機」は従業員を半数以下に削減するなど、開発体制を大幅に縮小すると発表しました。業績の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今後の航空機の需要が不透明になっているためです。
発表によりますと「三菱航空機」は、国内外におよそ2000人いる従業員を半数以下に削減するほか、海外に3か所ある拠点のうち、アメリカ・ワシントン州にある飛行試験の拠点を除く2か所を閉鎖し、「三菱スペースジェット」の開発体制を大幅に縮小するとしています。
また、すでに飛行試験を行っている90席クラスの機体は、量産機の製造を先送りにするほか、今後、主力として開発を予定していた70席クラスの機体の開発も当面、見合わせる方針です。
これは、業績の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、今後の航空機の需要が不透明になっているためで、親会社の「三菱重工業」は、「三菱スペースジェット」の今年度の開発費を従来の半分程度に減らす方針を決めています。
開発体制の縮小で、「2021年度以降」としていた初号機の納入は見直しが避けられない情勢で、国産初のジェット旅客機の開発計画は正念場を迎えています。
-- NHK NEWS WEB