政府はことしの観光白書を閣議決定しました。新型コロナウイルスの感染拡大で深刻な影響を受けている観光産業の回復に向けて消費の喚起策を行うほか、観光地の密集を避けるため、旅行の時期や目的地を分散させる取り組みを検討するとしています。
観光白書では感染拡大を受けて、全国の旅行業や宿泊業をはじめ、地域交通や飲食業、土産物の販売業など多くの産業に深刻な影響が及んでいるとしています。
このため安心して旅行できる環境づくりを進めるとともに、感染が落ち着き次第、観光や飲食などの消費を喚起する「Go Toキャンペーン」の事業を開始するなどして観光産業の回復を図るとしています。
一方、激減している外国人旅行者については、国や地域ごとの感染状況を見極めて受け入れ可能となった所から、航空会社に国際線の復活を働きかけるほか、観光地の魅力を発信するプロモーションを行うとしています。
また、観光地での密集を避けるため、学校や職場の長期休暇の時期を分散させる取り組みを検討したり、各地で農村や自然、スポーツなどを生かした新しい観光資源の開発に取り組んだりして、特定の時期や場所に集中しがちな、これまでの旅行スタイルの転換を図るとしています。
-- NHK NEWS WEB