日本鉄鋼連盟の会長に就任した日本製鉄の橋本英二社長は記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大による鉄鋼需要の減少に対して、経営統合などの再編ではなく、まずは各社が生産能力削減といった対策を徹底すべきだという考えを示しました。
日本鉄鋼連盟の橋本会長は、新型コロナウイルスの感染拡大が鉄鋼需要に与える影響について「国内海外ともに需要の減少は大きい。回復は見通せず、今年度の粗鋼生産量は前の年の9割程度の8000万トンを下回るだろう」と述べ、鉄鋼製品の需要はすぐには回復しないという厳しい見通しを示しました。
そのうえで、国内の大手鉄鋼メーカーの再編が必要になるという指摘があることについて「再編が生き残る答えだとは個人的には思わない。まずは各社が抱える余剰生産能力を徹底的に絞ることが必要だ」と述べ、経営統合などの再編ではなく、まずは各社が生産能力削減などの対策を徹底して行うべきだという考えを示しました。
鉄鋼業界は世界的な鉄鋼需要の減少で、国内の大手3社のことし3月期の決算がそろって最終赤字となり、厳しい状況が続いています。
このため日本製鉄が広島県呉市の製鉄所の閉鎖を決めるなど、各社は生産能力の削減を相次いで打ち出しています。
-- NHK NEWS WEB