日銀の黒田総裁は、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ景気を支える大規模な金融緩和策は少なくとも再来年度まで続くという見通しを示しました。アメリカの中央銀行も再来年までゼロ金利政策を維持する見通しを示し、世界中で異例の低金利政策が長期化しそうです。
日銀は16日まで開いた金融政策決定会合で今の大規模な金融緩和策を維持することを決め、新型コロナウイルスの影響を受けた企業に対する資金繰り支援も110兆円規模に増やしました。
黒田総裁は、記者会見で影響が長引くおそれもあるため必要があればちゅうちょなく追加的な措置を講じるとともに、資金繰り支援も拡大する考えを強調しました。
一方、異例の金融緩和策をいつ終えることができるか見通しを問われ、黒田総裁は「物価の見通しからすれば来年度、再来年度も金利を引き上げるにはなかなか遠い気がする」と述べ少なくとも再来年度まで金融緩和が続き黒田総裁の任期中の金利引き上げは難しいという見方をにじませました。
世界で最も感染者が多いアメリカでも、FRB=連邦準備制度理事会が再来年までゼロ金利政策を維持するという見通しを示しています。
再び感染が拡大する「第2波」の懸念が広がる中、落ち込んだ景気を支えようと世界中の中央銀行が打ち出した異例の低金利政策は長期化しそうです。
-- NHK NEWS WEB