民間による宇宙開発を日本でも加速させようという、民間主催の初めての大規模な会合が横浜市で開かれ、宇宙旅行や人工流れ星、宇宙での葬儀など、新たに生み出されようとしている宇宙ビジネスの最前線が紹介されました。
「時代の流れは宇宙に」という意味を込めて「SPACETIDE」と名付けられた大規模な会合は、横浜市の慶応大学のキャンパスで、民間の団体が主催して初めて開かれ、宇宙ベンチャーの経営者や、商社や電機メーカー、旅行会社などの大手企業の幹部などおよそ500人が参加しました。
会合では、宇宙を利用した新たなビジネスを興そうとしている宇宙ベンチャーの経営者らが次々に登壇し、このうち、宇宙で葬儀を行う世界で初めての専用衛星の打ち上げを、早ければ年内にも計画しているベンチャー企業の金本成生さんは「宇宙をどう使っていくかという時代に入った。利用者の目線でさまざまなアイデアを出し合い、宇宙を使った新たなビジネスで世界をおもしろくしていきたい」と呼びかけました。
また、再来年にも、超小型衛星を使って人工的に流れ星を作り出す世界でも初めての商業サービスの実現を目指している東京のベンチャー企業の岡島礼奈さんは「私のアイデアは、世界でも聞いたことがないとよく言われ、私自身も、とてもユニークだと自負している。ぜひ、全世界の皆さんに、“宇宙エンターテインメント”という、新たな世界を楽しんでもらいたい」と意気込みを語りました。
さらに、6年後の2023年にも宇宙旅行の事業化を目指している名古屋市のベンチャー企業の緒川修治さんは「宇宙事業が、夢やロマンではなく、ビジネスとして動き出した。子どもたちにも地球を見せてあげられるような低価格のサービスを目指したい」と話していました。
これまで日本の宇宙開発は、国が主導して進められてきましたが、電子部品の小型化や高性能化で開発コストの低価格化が進んでいることに加えて、去年、宇宙ビジネスの拡大を国が後押しする「宇宙活動法」が成立したことで、ことし、日本では、民間主導の宇宙開発が本格化しようとしています。
会合を主催した団体の石田真康さんは「きょうの会合には、これまで宇宙に関わりがなかった大企業からも多くの参加があり、今後さまざまな業種の企業がつながりあうことで、想像を超えるような宇宙ビジネスが生まれることを期待したい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB