三菱自動車工業の47歳の男性社員が、担当する新車の発売直前に自殺したのは残業が急増するなどして精神疾患を発症したのが原因だったとして、先月労災に認定されていたことが分かりました。
遺族と代理人弁護士によりますと、男性は三菱自動車がほかのメーカーと共同開発した軽自動車の発売に向け、メーカーとの調整などを行う業務を担当していましたが、発売直前の去年2月、横浜市にある会社の寮で自殺しました。
遺族から労災の申請を受けて労働基準監督署が調べたところ、亡くなる直前の1か月の残業時間が139時間あまりにのぼっていたことがわかったということです。
身につけていたスマートウォッチの記録から、睡眠時間が5時間に満たない日が月の半分以上あったということで、監督署は、男性が自殺したのは残業が急増するなどした結果、精神疾患を発症したのが原因だったとして、先月労災と認定しました。
代理人弁護士によりますと、今回認定された残業時間には帰宅後や休日に行った在宅勤務はほとんど含まれていないということで「実際の残業時間はもっと多い。在宅勤務が推奨される中、法規制が必要だ」と話していました。
男性には9歳の娘がいて、妻は「家族思いで優しく、真面目な性格で何事にも精いっぱい取り組む自慢の父であり、一家の大黒柱でした。第2、第3の犠牲者を出さないために、仕事の量に見合う人員の配置や社員を思いやる管理体制の整備を心から願っています」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB