中国が香港での反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」の導入に向けた準備を加速させるなか、日本で暮らす香港の人たちが東京 渋谷で街頭活動を行い、「自由がなくなっている」として、この問題に目を向けてほしいと訴えました。
中国は香港での反政府的な動きを取り締まる「国家安全法制」の導入に向けた準備を進めていて、国営メディアは20日夜、法案に中国の治安機関が香港に常駐することなどが盛り込まれていると、初めて伝えました。
街頭活動は、日本で暮らす香港の人たちの団体が行ったもので、20日午後、およそ30人がJR渋谷駅前の広場に集まりました。
活動を主催したメンバーで、香港出身の李※い棠さんは「香港の『一国二制度』は崩壊しつつあり、私たちは立ち上がらないといけない」と声をあげました。
そのうえで「日本にあるような自由がなくなっている。私たちは投票する自由、集会の自由など、空気のように当たり前にある自由がほしいのです」と訴えました。
また、香港出身の会社員の男性は「国家安全法制は、実際にどのように運用されるのかはっきりせず、中国政府が恣意的(しいてき)に悪用してしまうことを懸念している」と不安を訴えました。
参加者らは、道行く人たちに、香港での抗議活動に関するチラシを配ったり、「香港に栄光あれ」という歌を歌ったりして、この問題に目を向けてほしいと呼びかけました。
李※い棠さんは「香港人の自由に生きる権利がなくなっているという現実を、日本の若い人たちにどうしても伝えたかった。手遅れかもしれないが、これからも活動を続けていきたい」と話していました。
※「い」は、「王」へんに「韋」
-- NHK NEWS WEB