新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している南米では、携帯電話の電波が感染を拡大させていると信じた一部の住民が電波塔を破壊したり、技術者を監禁したりする事件が起きるなど、フェイクニュースによる被害が相次いでいます。
南米では、ブラジルやペルーなどを中心に感染が急速に拡大していて、新型コロナウイルスに関するフェイクニュースがネット上や口コミで広がり社会問題となっています。
このうちペルーでは今月中旬、新たな通信規格の「5G」が新型コロナウイルスを広めているというフェイクニュースを信じた住民が通信事業会社の技術者8人を監禁する事件がおきました。
「5G」を巡っては、ペルーのほかボリビアでもフェイクニュースを信じた住民らが電波塔を破壊する事件がおきていて南米各国の政府が、「携帯電話の電波は新型コロナウイルスを拡散させていない」とコメントをする事態となっています。
このほか、ペルーやブラジルでは、一部の薬草を燃やした煙を吸うと新型コロナウイルスの感染をおさえられるというフェイクニュースを信じた人たちが自宅でこの薬草を燃やして火事になったり、煙を吸い込んだ人が相次いで病院に搬送される事態となっています。
南米各国の政府は、ネット上などに氾濫するフェイクニュースを信じないよう、ホームページなどで呼びかけていますが、信じる人は後をたたず対応に苦慮しています。
-- NHK NEWS WEB