企業どうしの支払いに使われる手形の取り引きで、約束した期日までに資金を用意できず「不渡り」になった件数は先月は去年の同じ月の半分に減ったことがわかりました。無利子無担保の融資など新型コロナウイルス対策の資金繰り支援が背景にあるとみられます。
代金の後払いを約束して取り引き相手に手渡す手形は、期日までに資金を用意できず決済ができないと「不渡り」となり、半年で2度、不渡りをだすと通常は金融機関との取り引きが停止され事業の継続が難しくなります。
全国銀行協会によりますと、先月、不渡りになった手形の件数は727件と、去年の同じ月より52%減りました。
新型コロナウイルスの影響で資金繰りが厳しくなった企業が増え、3月、4月と不渡りは増えましたが、一転、大幅な減少に転じました。
全国銀行協会によりますと、経済活動の落ち込みで手形の使用そのものが少なかったということですが、実質無利子無担保の融資など政府の資金繰り支援も背景にあるとみています。
全国銀行協会は、新型コロナウイルスによる売り上げの落ち込みなどで手形が不渡りとなった場合は直ちに取り引きを停止しないよう銀行に求めています。
一方、不渡りの件数は減っていますが金額は去年の同じ時期とほぼ同じ水準のままです。
民間の信用調査会社は「資金繰りが厳しく支払いの延期を重ねた末、不渡りの金額が積み上がった企業がでているのではないか」と指摘しています。
-- NHK NEWS WEB