昨年度の決算が巨額の赤字となったソフトバンクグループは、財務の改善を進めるため、保有するアメリカの大手携帯電話会社の株式を売却することを正式に発表しました。
ソフトバンクグループは全体のおよそ24%を保有するアメリカの携帯電話大手、TモバイルUSの株式のうち、最大でおよそ3分の2に当たる1億9800万株余りを売却します。
Tモバイルが株式を買い取ってほかの投資家に転売する方法などが取られ、売却価格はアメリカ時間の23日に決まるとしています。また、残りの株式も、その大半をTモバイルの親会社のドイツテレコムが買い取る権利を取得することで合意したということです。
ソフトバンクグループが持つTモバイルの株式の帳簿上の価格は、ことし4月時点で250億ドル余り、日本円でおよそ2兆7000億円にのぼります。
ソフトバンクグループは、投資先の企業価値が下がったことで昨年度の決算が1兆3000億円を超える巨額の営業赤字となり、財務の改善に向けて最大で4兆5000億円分の資産を売却する方針です。
今回の売却もこの一環で、これまでに中国のネット通販最大手、アリババグループの株式の活用や国内の通信子会社の株式の一部売却でおよそ1兆5000億円の資金を調達しています。
-- NHK NEWS WEB