急速に取引が拡大しているインターネットの広告をめぐり、不適切なサイトに広告が配信されたり、広告費をだましとる不正行為が後を絶たないとして、広告主などでつくる業界団体が、配信先の追跡などができる新たな技術を活用して対策を図るプロジェクトを立ち上げました。
去年1年間の国内のインターネットの広告費は2兆1048億円に上り、テレビを初めて上回りましたが、一方で多くのメディアや事業者が関わることで、広告の流れが不透明になり、不適切な内容のサイトに広告が配信されたり、閲覧のデータを水増しするなどの手口で広告費をだまし取る「アドフラウド」と呼ばれる不正行為などが問題になっています。
こうした中、広告主や広告代理店などでつくる「日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会」は、広告の配信先の追跡などができる、「アドベリフィケーション」と呼ばれる最新の技術を提供する5つのIT企業と連携して、ネット広告の取引の透明化を図り、不正を防止していくプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトでは来月、オンラインの勉強会を開き、実際に技術を導入して不適切な広告の配信を可視化し、配信を停止したケースなどを紹介するということです。
プロジェクトリーダーの小林秀次さんは「広告業界として消費者に負担がかかるようなことはあってはならない。改めて足元を見直して、健全な市場にしていきたい」と話しています。
-- NHK NEWS WEB