ベトナムを公式訪問している天皇皇后両陛下は1日夜、首都ハノイの国家主席府で歓迎の晩さん会に臨まれ、天皇陛下がお言葉を述べられました。
クアン国家主席夫妻が主催する晩さん会は日本時間の午後8時半から始まりました。
はじめにクアン国家主席があいさつに立ち、「天皇皇后両陛下の御訪問が両国の友好協力関係に新たな春を与えるものと確信します」と述べました。
これに対し、天皇陛下は奈良時代から続く、日本とベトナムの交流の歴史に触れたうえで、「近年、貴国では、日本語を教える小学校もできるなど、日本語学習への関心が高まっていると聞いています。一方、我が国でも多くの企業がこの地での生産などに関心を高めており、ベトナムに居住する日本人の数も今や約1万5000人に上っています」と述べられました。
そして、「両国民の交流がますます深まり、お互いの文化への親しみが増してきている今日、この度の私どもの訪問が両国国民の相互理解と友好の絆を更に強める一助となることを心から願っています」と、お言葉を締めくくられました。
晩さん会は両陛下と国家主席夫妻がメインテーブルにつき、終始、和やかな雰囲気の中、2時間にわたって続いたということで、音楽プロデューサーの小室哲哉さんが以前、訪れた現地の盲学校の子どもたちと一緒に、日本とベトナムの曲を演奏する場面もありました。
国賓としての公式行事はこれで終わり、両陛下は2日、かつて日本で学んだ元留学生や、日本で看護師や介護士として働くことを目指している、ベトナムの若者たちと懇談されます。
また、第2次世界大戦中、当時のフランス領インドシナに進駐していた旧日本軍の兵士としてベトナムで終戦を迎え、その後も現地に残ってフランスとの独立戦争に加わるなどした残留日本兵の妻や子どもたちとの面会も予定されています。
両陛下は今月5日までベトナムに滞在したあと、去年、プミポン前国王が亡くなったタイに弔問のため、立ち寄り、6日、帰国されることになっています。
-- NHK NEWS WEB