28日、成田空港での新型コロナウイルスの検査数が初めて1日に1000件を超え、検疫の対応が間に合わずに空港の運用時間が延長される異例の事態となったことが分かりました。空港会社は、国に対し、検疫態勢の強化を求めています。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府は111の国と地域からの入国を制限し、成田空港検疫所は、日本人の帰国者などを対象にウイルス検査を行っています。
検疫所などによりますと、成田空港では28日、アメリカや中国などから合わせて22便が到着し、1日の検査数は初めて1000件を超えて過去最多になったということです。
このうち、28日午後7時半すぎに中国から到着した便には100人余りが乗っていて、検査での密集を避けるため、数人ごとに機体から降ろして対応しましたが、折り返しの便の出発は予定時刻よりも4時間余り遅れ、空港の運用終了時刻の午前0時を3分ほどすぎて離陸したということです。
運用時間の延長は、地元の自治体などとの間で災害の場合など、やむをえないときに限るという取り決めが行われているため、成田空港会社は、こうした事態は異例だとして国に対して検疫態勢の強化を求めています。
成田空港会社の田村明比古社長は会見で、「今後、入国制限が緩和されれば今回のようなケースが増えるのではないか」と述べ、検疫所の人員不足などに懸念を示しました。これについて成田空港検疫所は、「できるかぎり乗客の待ち時間を減らせるよう人員を増やすなど検疫態勢の強化を検討していきたい」とコメントしています。
-- NHK NEWS WEB