アメリカ政府が外国企業の駐在員などへの一部の就労ビザの発給を年末まで停止したことを受け、駐在員の赴任などに支障が出るとした日系企業が300社以上に上ることが、ジェトロ＝日本貿易振興機構の調査で分かりました。
新型コロナウイルスの感染拡大によってアメリカで大量の失業者が問題となる中、トランプ政権は６月24日、外国籍のＩＴ技術者や現地に進出する外国企業の駐在員などへの一部の就労ビザの発給を年末まで停止する措置を始めました。
この影響について、ジェトロはアメリカで事業を展開する日系企業を対象に６月26日から７月1日にかけて調査を行い、961社から回答を得ました。
それによりますと3割余りに当たる308社が「駐在員の赴任などに支障が出る」と回答し、その人数は合わせて1406人に上りました。
また、事業活動への影響については、▼「深刻な影響がある」と回答した企業が全体の13％を占め、▼「ある程度影響がある」とした企業を合わせると、35％余りに上りました。
具体的な影響としては、▼「赴任予定者が着任できず、現地事務所の人員が不足している」とか、▼「日本の本社も含めた異動の計画が狂った」といった実例のほか、▼「いずれは事業規模の縮小を検討する必要がある」など、アメリカでの事業の先行きを悲観する意見も寄せられ、日系企業の間で懸念が広がっている実態が明らかになりました。
-- NHK NEWS WEB
