文部科学省の元局長が東京医科大学に息子を不正に合格させてもらったとして起訴された汚職事件の初公判が開かれ、元局長は「不正をしてまで合格させたいなどという、こそくなことを考えたことはない」と述べ、無罪を主張しました。
文部科学省の佐野太元局長(60)は、国が私立大学を支援する事業の選定で東京医科大学に便宜を図った見返りに、おととし大学を受験した息子を不正に合格させてもらったとして、受託収賄の罪に問われています。
また、東京医科大学の臼井正彦前理事長(79)と、鈴木衞前学長(71)が贈賄の罪に、医療コンサルタント会社の元役員、谷口浩司被告(49)が収賄のほう助の罪に問われています。
6日、東京地方裁判所で開かれた初公判で、佐野元局長は「私は無実です。息子は点数の加算が無くても正々堂々と合格していたし、賄賂は存在しない。不正をしてまで合格させたいなどという、こそくなことを考えたことは天地神明に誓って一度も無い」と述べました。
そのうえで「職権を乱用して東京医科大学を支援事業の対象に選定させたことはなく、選定プロセスをゆがめた事実はない。起訴された内容は、東京医科大学の事業と息子の受験とを無理やり結び付けたストーリーだ」と述べ、無罪を主張しました。
また、臼井前理事長も「元局長には支援事業の申請のアドバイスはできないと断られた。入試での加点のことは一切、元局長には言っていない」と述べるなど、4人の被告が全員、無罪を主張しました。
-- NHK NEWS WEB