記録的な大雨で大きな被害を受けた熊本県人吉市は、新型コロナウイルスの感染が市内で確認された場合、医療崩壊が起きかねないとして、当面、県内限定で災害ボランティアを募集することになりました。
熊本県人吉市では、記録的な大雨で球磨川の水があふれ、広い範囲が被災しましたが、連日の雨で復旧作業が思うように進んでいません。
被害は医療機関にも及んでいて、災害拠点病院の人吉医療センターや私立の総合病院の球磨病院など複数の医療機関も被災し、地域医療に大きな影響が出ています。
市には、全国から災害ボランティアについての問い合わせが相次いでいますが、こうした中で新型コロナウイルスの感染が確認されれば、地域医療にさらなる負担が生じ、医療崩壊につながりかねないとして、市は当面、県内の人に限定して、災害ボランティアを募集することを決めました。
近く、人吉市の社会福祉協議会が人吉市鬼木町の「中小企業大学校人吉校」にボランティアセンターを立ち上げる予定だということです。
人吉市ではこれまでに新型コロナウイルスに感染が確認された人はおらず、松岡隼人市長は「全国各地からボランティアの要望がありありがたいが、新型コロナウイルスの感染者が1人でも出れば、医療崩壊につながるおそれがかなり高い。ふるさと納税や募金など、県外の方には別の形での支援をお願いしたい」と話していました。
-- NHK NEWS WEB