原発事故で広がった放射性物質を取り除く除染事業をめぐって、環境省の福島県内にある出先機関の56歳の職員が、下請けとして参入させる便宜を図った見返りに富山県の業者から数十万円分の飲食などの接待を受けたとして、福島県警と警視庁は職員を収賄の疑いで逮捕しました。
収賄の疑いで逮捕されたのは、環境省福島環境再生事務所の福島県南相馬市にある支所に勤務する専門官、鈴木雄二容疑者(56)で、富山県高岡市にある土木建築会社、「大開工業」の元社長、小杉幹雄容疑者(63)が贈賄の疑いで逮捕されました。
福島県警と警視庁の調べによりますと、鈴木専門官は、全域が原発事故の避難指示区域に指定されている福島県浪江町で、平成27年度に行われた国が発注する除染事業をめぐって、大開工業を下請けとして参入させる便宜を図った見返りに、小杉元社長から、キャバクラで飲食するなどの数十万円分の接待を受けた疑いが持たれています。
環境省は、原発事故の影響で広範囲に広がった放射性物質を取り除く除染など復興関連の業務を行うために、民間の経験者などを任期つき職員として採用していて、警察によりますと、鈴木専門官もその1人として採用され、除染事業の発注業務などを担当していたということです。
警察は接待の経緯などについて調べを進めることにしています。
-- NHK NEWS WEB