高校生に、学習した内容や部活動の実績を記録してもらい、大学入試で活用する新たなシステムについて、文部科学省は、これを運営する一般社団法人への許可を取り消す方向で調整していることが関係者への取材でわかりました。このシステムは、およそ18万人の生徒が利用していることなどから影響が懸念されます。
文部科学省は、高校生に学習した内容や、部活動の実績、さらに、ボランティアなどの活動を、ポータルサイトに記録してもらい大学入試などに活用する、「JAPAN e−Portfolio」と呼ばれるシステムの開発を進めてきました。
このシステムは、去年から一般社団法人の「教育情報管理機構」に運営が任され、今年度の入試から本格的に導入される予定でしたが、関係者によりますと、入試に利用する大学が少なく、財政上の安定が見込めないことなどから、文部科学省が運営許可を取り消す方向で調整していることがわかりました。
すでに、全国およそ18万人の生徒がこのシステムを利用していることなどから影響が懸念されます。
このシステムをめぐっては、生徒がポータルサイトを利用する時に、教育産業大手の「ベネッセコーポレーション」のIDを取得する必要があることが明らかになり、萩生田文部科学大臣も、ことし2月、運用の見直しに言及していました。
国が進めてきた大学入試改革は、大きな柱だった英語の民間試験と記述式問題の導入が、すでに見送られるなど、混乱が続いています。
-- NHK NEWS WEB