アメリカの原子力事業で巨額の損失を計上する大手電機メーカーの東芝は、財務基盤を強化するため、グループ会社「東芝機械」のほとんどの株式を売却すると発表しました。東芝機械は30年前のココム違反事件の舞台となった会社で、売却によって東芝グループから離れることになります。
発表によりますと、東芝はグループ会社の工作機械メーカー「東芝機械」の株式をおよそ20%保有していますが、2%を残してほとんどを3日に売却する方針を決めたということです。
これに対して、東芝機械は2日、取締役会を開き、売却される株式を買い取ることを決議しました。東芝の売却額は152億円となる見通しです。
東芝機械は30年前の昭和62年に、旧ソビエトに工作機械を輸出したとして、外国為替管理法に違反した、いわゆる「東芝機械ココム違反事件」の舞台となった会社で、今回の株式の売却によって、東芝のグループ会社から離れることになります。
東芝はアメリカの原子力事業で巨額の損失を計上することを受けて、主力の半導体事業を分社化して、新会社の株式の過半数を売却する方針を決めているほか、保有する資産の売却を検討していて、財務基盤の立て直しを急いでいます。
-- NHK NEWS WEB