企業がどれだけ資金を必要としているかを見る日銀の調査で、企業の資金需要が調査を始めて以来、最も高くなっていることが分かりました。新型コロナウイルスの影響で資金繰りの厳しい状況がいまも続いていることがうかがえます。
日銀は、大手銀行や地方銀行など50の金融機関を通じて企業や個人の資金需要や貸し出しの動向を3か月ごとに調査していて、今回は先月9日から今月8日にかけて行いました。
このうち企業の資金需要は、「増加」「やや増加」と答えた割合から、「減少」「やや減少」と答えた割合を差し引いた指数がプラス59となり、前回のプラス14から大幅に上昇しました。
リーマンショック直後の2009年1月調査のプラス43を上回り、2000年の調査開始以来、最も高くなりました。
新型コロナウイルスの影響で製造業、非製造業とも売り上げが大きく落ち込み、いまも資金繰りの厳しい状況が続いていることがうかがえます。
ただ、これから3か月間の見通しではプラス29に下がり、日銀は資金需要の高まりはいったん落ち着くのではないかとみています。
一方、住宅ローンなどの個人の資金需要はマイナス24と企業とは逆に調査開始以来、最も低くなり、日銀は景気の落ち込みによって住宅や車の購入などが控えられているのではないかとみています。
-- NHK NEWS WEB